都市型農業とは?

都市型農業とは、その名の通り、農地の多い郊外ではなく人口の多い都市部で農作物を育てる農業のことを指す。身近な例では、屋上菜園や屋内での水耕栽培がそれに当たる。近年この都市型農業に取り組むスタートアップへの注目が集まっている。今日のInsightでは、その背景と未来を考えていきたいと思う。

人口増加・集中と食糧危機

国連の調査 (https://population.un.org/wpp/) によると、2050年までに地球の人口は100億人に迫ると予測されている。さらに、この内の約7割が都市部に居住すると予測されている。人類は、タダでさえ飢餓人口の増加しているこの惑星で、これらの増加・集中した人口の必要とする食糧を安定供給するシステムを構築する必要があるのだ。

人口増加・集中によって引き起こされる問題は、単なる不足だけではない。「安全な食」へのアクセスの需要も高騰することが考えられる。人口が増加・集中することで、都市部における食料品への需要が増大する一方、生鮮食品の供給は流通量のキャパシティや消費期限などの要因により限界がある。それが、有機作物であればなおさらである。

さらに、問題の影響範囲は食糧自体の供給だけにとどまらない。

人が暮らしていくには、食糧以外にも衛生的な水が必要になる。飲水を含めた生活用水の供給である。すでに、世界の一部の都市圏では水不足が深刻であり、ニューデリーやカリフォルニアが有名だ。当然、農業は大量の水を必要とする。つまり、人口増加・集中によって引き起こされる農作物への需要増は、生活用水・飲料水の不足という問題と同時にやってくる。

流通にも問題を抱えている。東京を含む世界の大都市圏では、都市部の交通・流通に深刻な問題を抱えている都市が少なくない。都市圏に人口が集中することで、移動する人の増加によりさらなる問題を引き起こすだけでなく、流通のためのトラックや自動車の氾濫を伴うことが容易に想像できる。それは同時に、環境負荷の増大を意味する。

都市型農業は、この八方塞がりに思える状況に対して、アンサーを返そうとしている。